タイトルは温度の話ですが、味わいにも好みはあります。私は甘ったるい日本酒は苦手ですが、「辛口」と注文して出てくるような、すっきりして素っ気ない感じにも惹かれないので、たいてい「辛口で、少し甘味のあるもの」と注文します(いい言い方があれば教えてください)。
合唱曲で言うなら、ルネッサンス宗教曲は私にはすっきりし(すぎ)た日本酒ですが、特にフランスの近現代曲は、ほどよく甘味(?)がつき、至極の優しい味わいがあります。今日から練習を始めたデュリュフレのUbi caritasもそうですが、とりわけラシーヌ雅歌は最高。旋律よし、和音よし、各パートに主旋律あり。55小節からの2オクターブにわたる伸びやかな広がりを聞くと、大学生のときに女声版を初めて聴いて一目、いや一聴惚れした日の感動をいつも思い出します。(あのときは、歌詞通り「キラキラ」華やかだ!と思ったなあ。)68~71小節も最高。4パート全てに、見せ場かつそのパートのよさが詰まったこれほどの旋律が用意されている曲など他にあらんや!ノイエでは7年ぶりの再演ですが、これから歌い込んでいくのが楽しみです。
一方、今日はやらなかったヴィレットのO quam amabilis esは現代的な色彩感。あらばしりの日本酒のように、主張の強い雑(?)味も感じられます。とは言いつつ、和音が厚い部分でも去年やったドイツロマン派のような重厚な甘さ(ブランデー?)とは違って洒脱。どんな味わいに仕上げてステージに供せるのか、じっくりと仕込み期間も楽しんでいきたいです。
by マッサン(実はスコッチ党です)
混声合唱団ノイエ・カンマー・コール
<今日練習した曲>
♪ Cantique de Jean Racine [ラシーヌ讃歌](Gabriel Faure)
♪ Panis angelicus (Cesar Franck)
♪ Ubi caritas(Maurice Durufle)
♪ にじ(中川ひろたか)
♪ 赤いスイートピー(呉田軽穂)
<会場>
神戸学生青年センター(〒657-0064 兵庫県神戸市灘区山田町3丁目1-1)