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たくさんの音の中で

私たちが住む世界には音が溢れています。
例えばテレビの音、冷蔵庫のモーターの音、電話の音、水が流れる音、誰かが歩く音。一歩外に出れば車の音、信号機の音、風の音、話し声、電車の音等々、大きな音から小さな音までたくさんの音があります。
通常、人は自分に必要な音だけを選んで聞き取るそうですが、私はどうやらこの力が少し弱いらしく、不要な音まで拾ってしまうので、頭の中は常に音がいっぱいです。しかも厄介なことに「なんちゃって絶対音感」が備わっているため、音階を持っている音は音階で聞こえてくるので、その賑やかさたるや。例えるならば「脳内ひとりオーケストラ」という感じでしょうか。

「ちょっと(いやかなり?)耳が良い」というこのアビリティ、普段の生活で役に立つのは、どこかで鳴っているマナーモードの電話に気づくとか、来客にいち早く気づいて対応できることくらいしか思いつきませんが、音楽に関してはもう少し使えます。
音を聴けばそのまま覚えて再現することができますし(いわゆる耳コピ)、楽譜に書いてある音を脳内で再生することもできます。
しかし、覚えている音と違う音(或いはコード)が鳴ると、違和感があり混乱するという弱点もあります。例えばカラオケでキーが合わない時、普通はキーを上げ下げして調整しますよね?でも私はそれをすると歌えなくなってしまいます。キーを変えた途端、音が全く分からなくなります。これは原曲キーでインプットしているため、自分の中で移調ができないからです。なので、カラオケではたとえキーが合わなくても最後まで原曲キーで歌い切るというチャレンジをします。一曲歌うごとに結構な達成感を味わえます(笑)。

ところで、歳を重ねるとともに、この「ちょっと耳が良い」アビリティは他の人が出している音に対しては力を発揮するけれど、自分が出している音にはあまり敏感でないことも分かってきました。それが分かってからは、歌っているとき鳴っているコードに自分が収まっているかどうかを意識するようにしています。たくさんの音の中で自分を保つのは私にとっては結構大変な作業ですが、コードで考えるようになってからは頭が整理されて歌いやすくなりました。
そして、楽譜に書かれた通りの音やニュアンスが実際に演奏で出せたときは、本当に気持ちがいい!
演奏会を2週間後に控え練習も佳境に入った今、そういう瞬間が増えてきて「おお、今の音いいなあ!」と素直に感動しています。
この感動を聴いて下さる皆様にお伝えできたら、きっと今まで以上に達成感のある良い演奏会になると確信します。
そういう演奏ができるように、やり切ったと思えるように準備して本番を迎えたいと思います。

byジャムおねえさん


混声合唱団ノイエ・カンマー・コール

<本日練習した曲>

♪ 感傷的な唄(新実徳英)

♪ ジョギングの唄(新実徳英)

♪ 天使(新実徳英)

♪ 鳥が(新実徳英)

♪ やさしい魚(新実徳英)

<会場>

神戸学生青年センター(〒657-0064 兵庫県神戸市灘区山田町3丁目1-1)