· 

壺中の天

外は熔けるような暑さ、加えてこのコロナ禍の中、皆さんいかがお過ごしでしょうか?

 

2月末に集合しての練習が中断して、はや半年になろうとしています。

私の場合は歌えないことによる「禁断症状」が早目に出るタイプなので、早急な処置が必要でした。

何か方法が無いものかとネットで色々調べたり、これまでお付き合いのあった人に相談したりしているうちに、ヤマハが「NETDUETTO」というリモートアンサンブルを目的とした実証実験サービスを行っていることを知りました。

(6月29日には「SYNCROOM」と改称してヤマハの公式サービス(無料)としてリリースされています。

https://syncroom.yamaha.com/

 

そこで5月のゴールデンウィーク明けから、興味を持った2人でこぢんまりと始め、何回かやってみて使い方に慣れてきたら、他のパートにも声を掛けてみようということに自然になり、5月末以降は全パート揃って、5人でミニアンサンブルがやれています。

ユニット名が付いていて、クローネファイブ(コロナで苦労ね!をもじったもの)と言います。

 

その方法はと言うと、練習音源を流してそれに合わせて各自「勝手に」歌うという、最も初歩的なものです。

「勝手に」という意味は、他のパートの歌声を聴きながら歌うと、音の時間ズレがどんどん拡大してどうにもならなくなるので、無視して「わが道を行く」わけです。

 

もちろん音の遅延は避けられないのでズレズレになるんですが、崩壊することはなく、途中で復帰できます。

そして2~3回繰り返しているうちに慣れてきて一応の形にはなる、まさに人間の適応能力恐るべしです。

 

練習音源にメトロノームを入れてテンポを取りやすくしたり、音量バランスを調整して伴奏を聴き取りやすくしたり等のリモートならではのノウハウも溜まってきました。

 

集合して練習できればそれが一番ですが、それが叶わない今、こうして歌声が出せて、かつ仲間の歌声を聴ける環境は「壺中の天」となって自分を癒してくれていて、今のところ「禁断症状」は治まっています。

 

初めの頃は定演曲をやっていましたが、定演が流れるやテンションだだ下がりで、直ぐに愛唱曲に切り替え、この3か月で20曲ほど歌っています。

これまで歌いたいと思っていて機会が無かった曲とか、みんなで希望を出し合って、必要なら楽譜を購入して取り組んでいます、

例えば、林光の日本抒情曲集1〜3は、この際全曲やってみようかということになっています。

Rutterの美しいメロディーの小品は皆さんお好きです。

美空ひばりや橋幸夫などの演歌や歌謡曲も気分転換になります。

 

橋幸夫「潮来笠」は新年会の出し物にしようかとの話も出ています。

どなたか合唱に合わせて日舞を舞ってくれる人はいないでしょうか?

 

by SYNCROOMで癒され中


混声合唱団ノイエ・カンマー・コール