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ウクレレのおはなし

ウクレレを習い始めたのは、2007年の年明けでした。家人が弾いているのを聴いて、いい音だなあと思ったのがきっかけで、ヤマハの教室に通うようになりました。最初の先生が渡部純先生でした。やがて教室が替わって、松下政秀先生に教えていただくようになり、現在に至っています。お二方ともたびたびノイエと共演くださっていますが、特に松下先生は、9月の「FMノイエ」に登場してくださったので、記憶に新しいでしょうか。

 

ウクレレの音楽を完成させたミュージシャンとして、まずこの方は外せないというのは、ハーブオオタさんでしょう。ウクレレでジャズを演奏し、小さなボディとたった4本の弦とがこんな豊かな世界を持っていると教えてくれた方です。「オータサン」の名前で親しまれ、日本にもファンが多いです。私も握手をしてもらったことがあります。ウクレレにサインももらいました。お人柄もとてもすばらしいです。ハワイ在住の御年85歳、体調不良で3年前の来日公演がキャンセルになったのは、なんとも惜しまれるところです。

 

ウクレレは弾き語りもできるのが魅力です。2009年に101歳で初来日し、野外イベントを含む9つのステージが毎回スタンディングオベーションとなったビル・タピア氏をご存じでしょうか。「100歳でなければ唄えない歌がある」と、サザンのベーシストでウクレレ愛好家の関口和之さんがコメントされているとおり、ビル・タピア氏の歌には何とも言えぬ味わいがあります。わたしは、タピア氏の“All of me”が大好きでした。年齢を重ねることは好ましいことだと思わせてくださる方で、2011年に103歳で亡くなるまで、現役プレイヤーとして活躍されていました。

 

ウクレレ界の中堅どころとしては、ジェイク・シマブクロがいます。ロック調の曲の速弾きを得意とする、超絶技巧の持ち主です。この流れを汲む若いプレイヤーがどんどん出てきています。今のウクレレ音楽の主流を作った人ですね。ノイエでも歌ったことのある「フラガール」は、2006年に公開された同名映画のテーマ曲ですが、ジェイクの曲です。2011年の東北の震災後は、ジェイクなりの思いが込められているのでしょう、バラード調にアレンジして演奏されています。

 

渡部先生も松下先生も、初心のうちから人前で弾くことを奨めてくださり、ヤマハの「ウクレレナウ」というイベント出たのがきっかけで、バンドで活動するようになりました。ギター・ベースとのトリオで、「オータサン」をとことんゆるくしたような、まったりとしたジャズを演奏しています。発表の場があるので練習がいっそう楽しい、仲間がいるのでより音楽が楽しい、聴いて楽しんでくださる方がいると自分たちも楽しい。すべてノイエと共通します。楽器がうまくなれば歌もうまくなる、逆もまた然りと信じて、牛の歩みで螺旋階段をゆるゆると登っているところです。

 

by ウー・ロン


混声合唱団ノイエ・カンマー・コール